ブリジストンが2029からの復帰を目指しているという情報が流れてきた
ブリジストンでもいいけど、以前のようにタイヤ戦争を見たい
ワンメイクでは戦略違いくらいしかレースが動かない
ワンメイクなら以前の用にチームがタイヤセットを選べるようにして欲しい
タイヤメーカーは大変だろうけど、蓋を開けてみたら使い物にならないタイヤを選んでしまったとか、コンサバを選んだつもりが外れとか、動きが多少はあると思う
2029年からのF1復帰に向け、ブリヂストンが水面下で体制を整えているというニュースはかなり熱い展開ですね。前回(2025〜2027年期)の入札でもFIA側から高い評価を受けつつもピレリの継続となりましたが、2028年末でピレリの現行契約が切れるタイミングに向けて開発陣を補強するなど、今回はかなり本格的に狙いに来ている気配が伝わってきます。
タイヤ戦争の復活や、チームによるタイヤアロケーション(選択)の自由化は、かつてのF1を知るファンなら誰もが一度は夢見る要素です。レースの「見ごたえ」と「波乱」という観点から、共感できるポイントがたくさんあります。
タイヤマルチメイク(タイヤ戦争)のロマンと現実
ブリヂストン vs ミシュラン、あるいはダンロップやグッドイヤーがしのぎを削っていた時代は、「今週末はミシュラン勢の圧勝かと思いきやすごい猛暑でブリヂストンの耐摩耗性が爆発した」「ブリジストンのレイン(台風用)が異次元のグリップを発揮した」といった、マシン性能を超えたドラマがありました。
ただ、現在F1(FIA/FOM)がタイヤ戦争を復活させない最大の理由はコスト抑制とパフォーマンス格差の肥大化です。
- コストの爆増: 開発競争が始まると、各社がテスト走行や専用構造の開発に膨大な予算を投入するため、参入障壁が上がります。
- 特定のチームの独占(格差拡大): かつてのフェラーリ&ブリヂストンの密月関係のように、上位の「ワークスチーム専用タイヤ」と化してしまい、カスタマーチームが置き去りにされるリスクが再発します。
現代のF1が「持続可能性(サステナビリティ)」や「チーム予算上限(キャップ)」を掲げている以上、複数メーカー参入によるタイヤ戦争の解禁はハードルが高いのが実情です。
ワンメイク下での「チームによるコンパウンド自由選択制」
そこで提案されている「ワンメイクのまま、チーム側にセット選定の自由度を大きく広げる」という案は、現実的かつ非常に面白いアイデアです。
2016〜2019年頃にピレリが導入していた「FIAが提示した3種類の中から、全13セット中10セットをチーム(ドライバー)がレースの何週間も前に自由に割り振る」というルールがありました。当時は以下のようなドラマを生んでいました。
- 戦略のギャンブル性: 予選重視でソフトを山積みにしてぶっつけ本番のレースに挑むチームや、逆にハードを多く残してロングラン勝負に出るチームなど、レース前にすでに手の内が分かれている面白さがありました。
- 「外れ」を選んだ時の波乱: 「現地に持ち込んでみたら想定より路面温度が低く、選んだハードが全く作動温度域(ウィンドウ)に入らない」といった失敗が起き、下位チームが上位を食う下剋上のトリガーになっていました。
現在のルールは、ピレリとFIAが各戦ごとに持ち込む3種類のコンパウンドとセット数を一律で指定するため、どうしても「上位チームがシミュレーション通りに走って順当に勝つ」という展開に収束しがちです。
ブリヂストン復帰で期待したいこと
もし2029年にブリヂストンが単独サプライヤーとして復帰する場合、ピレリのように「エンターテインメントのために意図的に崖(デグラデーション)を作るタイヤ」を作り続けるのか、それともブリヂストンらしく「ドライバーが最後まで100%の力でプッシュし続けられる高耐摩耗性・高グリップなタイヤ」を作るのかが大きな見どころになります。
後者の「攻め続けられるタイヤ」にするのであれば、なおさら「タイヤ選択の自由度」や「コンパウンドの極端な性格分け」をルール側でセットにしてくれないと、レースが1ストップの単調なパレードになってしまう懸念もあります。
「あえて極端なコンパウンド(例えば超ソフトと超ハード)しか選択肢に与えない」といった運用も含め、タイヤメーカーの技術力だけでなく、チーム側の選定ミスやギャンブルがレース結果を左右するようなドラマチックなルール改正にも期待したいところです。